映画に見る東アジアの近代
日本は世界で一番各国の映画が見られる国だろう。韓国、台湾、中国、東南アジア、色々の国の映画を見て、日本映画との共通性、民族的違いを映画で確認できる作業は、私には楽しかった。もちろんそこには、各々の政治的志向性も反映する。映画はプロパガンダ性を如実に反映するメディアでもある。南京虐殺、慰安婦問題、そういう政治性を濃厚に反映した映画を批評するのもスリリングな思いがした。
私の政治指向性を批判する読者カードも来ている。それも有り難く拝見した。自由な社会環境あってこそ、表現は多様になるし、歓迎すべきものだ。韓国映画の今の盛況は十年以前から私は想像していたことだ。台湾民主主義の到来を告げる『悲情城市』という映画を昭和の末期に見れたことも感慨深い。新著『暗黒大陸』は知人の手を通して、李登輝前総統にも送られている。 今度のオリンピックは北京で行われるが、中国国歌「義勇軍行進曲」が実は日本を敵視した歌だとどの程度の日本人が知っているだろうか? そのこともこの本で由来を書いている。新著ではないが、読んでもらいたいと思う。 一口にいえば、この本は映画を歴史資料に東アジア近代史を読み解いたものである。
第1章 映画に見る東アジア近代史(日本人の満洲体験としての『七人の侍』
木下恵介における戦争、そして“公”なるもの
父の肖像―小津安二郎私論 ほか)
第2章 映画に見る東アジアの政治力学(『プライド』と『南京1937』を巡って
『天安門』と『広場』を観て
『在日』を観て ほか)
第3章 貧困の映画、映画の貧困(貧困の映画、映画の貧困
ケン・ローチと山田洋次
『九月の堕天使』)
狂気の映画日誌

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