元のタイトルが「张学良爱国抗日演讲」となっていますが、これは演説というよりも、ニュース映画で日本の侵略を訴えている?映像のようです。当時の権力者がこのようにメディアに出てきて何かを訴えるというのは珍しいケースだと思います。

時期的には満州事変以後のことでしょうから、その当時に同時録音の映画撮影機を使って政治家自らが主張を述べるというのは、とても先進的な取り組みである、と考えられます。

ただ、話している内容を考えてみると、あんまり激しい内容ではないのですね。

演説の内容を翻訳すると下記の通りとなります。

「日本は元々中国の統一と経済発展に反対しており、其の為対外宣伝では『東三省は中国の一部ではない』と言っていますが、東三省は本来中国の一部です。歴史的に見てもそうです。ニューイングランドがアメリカの一部であるのと同じ事です。

現在三千万の人民がおりますが、東三省は彼らの故郷です。彼ら三千万人民は99%中国人です。彼らも故郷のために奮闘する事を望んでおります。一人残らず全ての人々がそれを望んでおります。

現在日本はこれらの暴力を用いて、全満州の領土を占領しております。これらの暴力の下で、数千万の財産と数千万の平民が犠牲となっております。現在これらの暴力の下で国際条約を破壊され、とりわけ三千万人民の生命が努力してきた国際連盟が破壊されているのです。そこで私は日本が独断専行を辞めることを心より望みます。世界をして重大な犠牲を止めるべきなのです。」

これは結論として「世界の世論と国際協調をもって、日本の独断専行をやめさせよう」ということを主張しているのであって、確かに「抗日」的なのかも知れませんが、「抗戦」的ではありません。満州国において、彼のいう三千万人民は日本に虐殺されたわけでもなく、当時の中国に比べて平和で豊かな生活を享受し、人口も終戦まで増え続けたわけですから、結果的に考えると「東三省」の「三千万の中国人民」は張学良の統治よりも、日本の統治の方を望んだということになるのではないでしょうか。

でも、この演説そのものは非常に面白いですね。このフィルムがその後どのように使われたのかは知りませんが、今から70年以上前の、当時30歳の青年が、トーキー撮影機にカメラ目線で立って国際世論に訴えているのですから。張学良という稀代の政治家の優れた才覚の一面を見たような気がします。

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张学良爱国抗日演讲