軟土深掘
「軟らかい土を深く掘る」。何故か中国ではこの言葉をよく聞くことがある。
この言葉には二つの使われ方がある。
1つは、「簡単なところから始めろ」という時に使う。
いろいろな面倒ごとが折り重なったような仕事を進めようとして、さてどこから手を着けたものか・・・という時に、「まずは簡単なところから手をつけますか」という感じで使う。田畑を拓く時にはまず軟らかい土地から掘り起こす、という意味らしい。これは中国人の仕事術の基礎にもなっていると思う。簡単な順に着手するのである。
もう1つは「相手の弱点を攻めろ」という時に使う。相手の軟らかいところを深く掘れ!という感じである。こちらは中国人の交渉術・戦術の基礎であると思う。中国人相手の交渉時に弱味を見せたり、弱気を見せると、徹底的にそこを攻められる。
ある幹部党員は私にこんなことを教えてくれた。
「我々はどんな人とも礼儀正しく、仲良くしようとします。良い友達になろうとします。でもそうやって相手との交流の中で常に弱点を探っています。敵を打ち負かそうとする時に、全力を振り絞って戦うのは無駄な事です。弱点のみを一方的、徹底的、効果的に叩きます。だから中国人は強いのです。」
「軟土深掘」という言葉には「進寸得尺」という言葉がくっついてくることがある。これは「一寸進んで、一尺を得る」という意味である。これはどういう意味か?あまりピンと来ない人は、東シナ海ガス田の件を想像してみればよい。まさしく我々はあの国に「軟土深掘」にして「進寸得尺」されようとしているのだ。
著者/訳者:宮崎 正弘
出版社:阪急コミュニケーションズ( 2007-06-29 )
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単行本(ソフトカバー) ( 218 ページ )


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