今年1月25日にアップされた動画です。もう一体なにがなんだかわからない映像です。でもこういうのが中国の日常であり、こういうのが城管なんだというのが非常にわかりやすいケースなので、今回はこれを選んでみました。それと、この動画には幾つか引っ掛かるところがあるのです。

上海浦東新区昌里荳恫H

場所はこのあたり。浦東というと陸家嘴あたりの開けた印象がありますが、少し奥に入るとそこはかとなくアレな感じの地域です。16秒あたりでトラックの荷台に倒れこんでいる人物へ、トドメのキックを入れる男が出現します。ジーンズみたいなのをはいているので一般人?と思いますが23秒の映像で腕章が見えます・・・城管ですね。この手の大騒ぎになるのを最初から予想して、動きやすく丈夫なジーンズをはいて来たのでしょうか。

元々上海というのは浦東側の東よりの方がずっと歴史も古く、人口も多かったのです。アヘン戦争以後に、南京路-外灘のあたり中心に、黄浦江沿いに東側の虹口、楊樹浦、復興島の周辺、そして黄浦江南側の現在の南浦大橋と盧浦大橋のあたりが栄えてきまして、その新興地域の産業を支える労働力として浦東-川沙鎮あたりからの通勤者が出てきます。ただ、都市交通が未発達の当時としては、毎日川沙鎮あたりから通勤するのは面倒で、それでも浦西側の家賃は高いので、労働者は浦西の新興地域の対岸に移り住んだのです。・・・というわけで動画の事件が発生した昌里路というのは、浦東は浦東でも、陸家嘴テイストな洗練された場所ではありません。私も何度か足を運びましたが、かなりアレな感じの、上海の中でも発展から取り残された場所といえます。

トラックの荷台に「無痛穿耳」と書かれた看板があります。これはピアスの穴を開けてくれる店の看板ですね。動画タイトルにある「流氓」というのは辞書だと「ならずもの」とかいう意味ですけど、よそからの流れ者みたいな感じの言葉です。このあたりのそういう露天ないし無許可店舗を城管が取り締まっている内に騒ぎに発展したのではないかと思います。

でも、どうしてこの場所で?と思ったりもします。城管が暴れて人を殴ったり蹴ったりするのは珍しい事ではありません。それにどうしてわざわざこんな動画をアップしたのでしょうか?撮影の尺は短いものですが、たぶんアップ主は何かの義憤をもって、何かを伝えたかったはずなんです。この短い動画に写っていない何かがあるはずだと感じました。

よーく地図を見てみましたら・・・この事件が発生した地域の周辺というのは上海万博の開催地になっているのです。たぶん上海万博の開催に向けて、「都市美観」のためにとか、口実をつくって周辺地域の流氓や露店商人を追い出しにかかったのではないでしょうか。

24秒あたりから、何者かがカメラのレンズを手でふさいで撮影を妨害しますが、なんとも不気味な感じです。それでもカメラを守りきって上手く逃げ帰ったので、今我々がこうしてこの動画をみることができるのでしょう。短くて何が起ったのかわからない動画ではありますけど、現代中国の混乱した、バイオレンスな側面を短く非常に分かりやすく伝えているライブな動画だと思います。zzzj2009さんありがとうございました。

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