中国の潜水艦「キロ級」について
9月14日午前6時56分ごろ、高知県足摺岬沖の豊後水道周辺の領海内で、国籍不明の潜水艦が潜望鏡を出して航行しているのを、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が確認した。16日に捜索は打ち切られたが、もっぱら「中国の潜水艦」という噂である。2004年に中国の漢級原子力潜水艦が石垣島周辺海域を領海侵犯した先例もあるので、あながちうがった観測とも言えないだろう。
今回の事件で確認された潜水艦が中国海軍の保有するどの潜水艦なのかは全く明らかにされていないのではあるが、当方でも中国の潜水艦については以前より大変関心を持っていたところであった。
↑こちらは上海にて撮影された中国海軍のキロ級潜水艦の映像である。ディーゼル潜水艦なので時代遅れのように思われるかも知れないが、キロ級は世界最高水準の静粛性を誇り、対艦ミサイルの発射が可能で、浅い海での潜航能力が高いと言われている。浅い海?一体どこで使うつもりなのでしょうか・・・。
中国はこのキロ級潜水艦を1995年~1999年の間に4隻購入し、その後も改キロ級やその改キロ級を更に改良したと636M型も追加したそうで、別のニュースによれば「8隻購入」との話もあるので、現在合計で何隻保有しているのかわからないのだが、確かな事は中国はこの潜水艦をたくさん必要としているということであろう。
近年、このキロ級潜水艦が上海にてたびたび目撃されている。上海のどこで?と思われるかもしれないが、上海の真ん中に流れている黄浦江で・・・である。黄浦江といえば、外灘(バンド)のあの川である。上海の観光名所の一つなので、そんなところに潜水艦が浮かんでいるとは想像もつかないのだが、実のところ、長江よりの一帯は中国海軍や中華造船の施設がゴロゴロしている「軍事重地」でもあるのだ。
先にお見せした動画で潜水艦の後ろに大きな青色と緑色で塗られた壁が見えるが、上記の写真はその「壁」を斜め橫の位置から撮影したもの。中華造船の施設であるらしい。中に見える潜水艦は後部だけではっきりとしないが、どうやらキロ級潜水艦のようである。90年代に購入したものを改修しているものと思われる。
先ほどの中華造船の施設は浦東地区にあるが、↑こちらの写真はその対岸で、長江に近い場所にある中国海軍の基地で撮影されたものである。こちらはちゃんと整備されているもののようだ。それにしてもよくもこんなわかりやすい場所に堂々と停泊しているもんだな・・・と思うものの、中国の港湾施設というのは、観光地などをのぞいて、ほとんどの場合、隔絶されていて一般人は近づく事が出来ないようになっている。だから普通に観光でやってきたり、普通に暮らしている分にはそう簡単に港湾施設に入ったり、見たりすることはないのである。
ところが、上海では黄浦江巡りだの長江巡りの観光船が賑わっている。それらの船からもこの手の軍事施設やら、軍艦は見えてしまうので、中国海軍もこのままではマズイと思ったらしい。上記写真は08年8月に撮影されたもの。海軍基地に汚らしい船が泊まっているので変に思ってよく目を凝らして見ると、向こう側にキロ級潜水艦が・・・どうやら「ついたて」を用意するようになったらしい。
上海というのは中国最大の都市であり、中国でも最も重要な地域であろう。70年ほど前にこの都市を「侵略」された過去もあるわけで、中国が沿岸警備用の戦力を用意する必要があると思うのは当然のことかも知れない。ところがそこに世界最高水準の静粛性を持つといわれる潜水艦が用意されており、さらにその数を増やそうとしているのは一体何のためなのか?・・・と、「一衣帯水」の隣国であり、国籍不明の潜水艦に領海侵犯をされる我々が中国の軍備を脅威を感じ、その意義に疑問を思い、来るべき危機に備えるのは、これまた至極当然のことなのである。
著者/訳者:宮崎 正弘
出版社:ベストセラーズ( 2008-09-26 )
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ハードカバー ( 256 ページ )







TBありがとうございました。
キロ級改の性能が非常に気になります。
実際に戦闘になった場合、海自の能力で太刀打ちできるのか疑問です。
海自の能力は疑問でありますが、まずは中国の軍拡の意思を明確に把握するべきだと私は考えています。
その方向性、その手段、その最終目標について・・・日本の政府と国民が一体となって取り組むべき問題だと考えます。
コメントありがとうございました。