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川島芳子が1933年(昭和8年)に出したレコード「十五夜の娘」です。

再生は以下から。


日中近現代史に興味があって色々と読んできましたが、川島芳子というのはそういう趣味の人たちの間では、かなりはっきりと興味が分かれる人物であると思います。興味が無い人は全然興味が無いし、興味がある人は興味がある・・・有名な人物なのですけど、だからと言ってそれほど重要な歴史的役割を果たしたわけでもない・・・でもあちこちで色んな人と関係があるので、興味が無くても日中近現代史の基礎教養として一応ちょっとは読んでおかねばならない・・・という位置にある人だと思います。

私は全くこの人物に興味が無いのでありますが、先日テレビ朝日で川島芳子の生存説をとなえる水曜スペシャル川口浩探検隊的ドキュメンタリー番組をやっておりましたので、一応最初から最後まで見てみましたけれど、その中で一番印象に残ったのはこのレコードのことでした。

なんといっても「ハァ・ホ~ン♪」ですから(笑)。清朝王女が日本でレコードデューってやはりすごいです。今で例えればモーニング娘。の中に太子党の娘が入っているような感じです。やっぱりそれはすごすぎます。

中国に長くいますと、「実は私は清朝貴族の末裔なのでございます」という人と会うことがあります。でも本当かウソかよくわからない人が大体です。そりゃ何代もさかのぼればどこかで繋がっているのかも知れませんが・・・一応満州族だったら、ウソでもいいからそういっておくのが、満州族の挨拶なんだという程度で受け取っておく方がいいと思います。

ただ、思い出して見ますと・・・確かに満州族@自称清朝貴族末裔の方は芸達者そうな人が多かったと思います。愛新覚羅家の人たちなんかもそうですが、書画骨董とかで食べている人とか多いのですね。元が皇族なり貴族であると、没落したからといってもそうそう肉体労働者になるわけもいかず、共産中国ではすぐに起業というわけにもいかず、資産は没収されているので投資家・地主というわけにもいかず、出生身分の関係で党にもなかなか入れないでしょうから、共産党&政府機関系もアウトですし(但し出生身分ロンダリングという手はありますけど)・・・だから芸で生きるしかないのでしょうか。元々満州族そのものが芸達者な民族なのかも知れません。

川島芳子は、一応歴史では1948年に処刑されているのですが、もし彼女が処刑されずに日本で落ち着いていたのなら、作家になるとか、もしくは映画女優になったりとか、歌手として紅白歌合戦に出て、テレビ司会者をつとめたり、そして最後は国会議員になったりしていたかも知れません。

上海のブロードウェイマンションを通るたびに、彼女がそこに住んでいた頃を想像し、一体この近所のどのあたりで遊んでいたのだろうか?と思うのですが、ガーデンブリッジの北側というのは、今では結構寂しいか貧しい場所でして、とりあえずアスターホテルで食事をして、日本郵船の波止場を散歩する・・・・というぐらいしか思いつきません。無論、クルマで上海のどこなりと行けばいいわけではありますが。

彼女が戦後日本で芸能人になり政治家になる姿を見たかったという気持ちと、そうならなくて良かったという気持ちの両方がありますけれど、このレコードを聴いていると、彼女は別にキナ臭い世界に入り込んで、ややこしい仕事をしなくても、充分立派に生きていく道があったのだろうと思います。敢えて険しい道を選ぶあたりはやはり、漢民族ほど巧みに自分を偽れない満州族の血がそうさせたのだろうか・・・とも思うのです。

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